帯状疱疹とは
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。水ぼうそうになったことのある人は、このウイルスが体内に潜伏し続け、免疫力が低下したときに再活性化します。
帯状疱疹の発症率は年齢とともに増加し、50歳以上の人で特に多く見られます。免疫力が低下することが引き金になりやすいため、加齢やストレス、慢性的な病気がリスクとなります。
症状と特徴
初期症状
帯状疱疹の初期症状には、倦怠感倦怠感発熱や、皮膚の違和感があります。これらの症状が数日続いた後、痛みとともに発疹が現れます。
痛み・発疹
発作は帯状に広がり、通常は片側の神経に沿って現れます。 発作は水疱を形成し、激しい痛みを伴います。
症状が進行すると、水疱は潰れて皮皮(かさぶた)になり、 治った後も、痛みが続きます(帯状疱疹後神経痛)。
発症要因と合併症
発症の要因
- 免疫力の低下
帯状疱疹の主な原因は免疫力の低下です。ストレス、過労、加齢、薬剤(特に免疫抑制薬)などが要因です。
日本における統計によると、年間約50万人が帯状疱疹を発症しています。
合併症
- 帯状疱疹後神経痛(PHN)
帯状疱疹の治癒後も、痛みが続くことがあり、これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。この痛みは長期にわたって続くことがあり、高齢者に多く見られます。PHNは生活の質を大幅に低下させるため、予防と早期治療が重要です。 - 視覚や聴覚の障害
帯状疱疹が顔面に発生した場合、眼帯状疱疹や耳帯状疱疹として、視力や聴力に影響が出ます。場合によっては失明や聴力の低下につながることもありますので、注意が必要です。
治療と予防
治療方法
- 抗ウイルス薬
帯状疱疹の治療には抗ウイルス薬が用いられます。早期に治療を開始することで、症状の軽減と合併症の予防が期待できます。発疹が出てから72時間以内に治療を始めるのが理想的です。
抗ウイルス薬は内服薬として処方されます。 - 鎮痛薬
痛みのコントロールが重要です。鎮痛薬や神経ブロックを使って痛みを軽減させる治療が行われることもあります。 - ステロイド薬
炎症を抑えるためにステロイド薬が使用されることもあります。
予防方法と予防接種
- 予防接種の重要性
- 帯状疱疹の予防には接種予防が有効です。日本では50歳以上の人を対象に帯状疱疹ワクチンが推奨されています。
- ワクチンは帯状疱疹の発症を約50~70%程度軽減させ、特に帯状疱疹後神経痛の予防に有効です。
- 生活習慣の見直し
- ストレスの管理やバランスの取れた食事、十分な睡眠など、生活習慣の見直しも重要です。これにより免疫力を維持し、発症リスクを下げることができます。
水痘(みずぼうそう)との関係
- ウイルスの共通点
- 帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスは、水ぼうそうの原因ウイルスと同じです。 子どもの頃に水ぼうそうに感染すると、ウイルスは体内に潜伏し続け、後に帯状疱疹として再活性化することがあります。
- 水ぼうそうにかかったことのない人は、帯状疱疹が感染源となることもあります。
帯状疱疹は、免疫力が低下すると起こりやすく、痛みと帯状の発疹が特徴です。放置すると長期間の痛み(帯状疱疹後神経痛)を引き起こすことがあります。早期の抗ウイルス薬による治療が必要になるので、発疹が出たら早めに受診しましょう。また、50歳以上には予防接種が推奨されています。痛みや発疹があれば早めに医療機関を受診しましょう。