アレックスビー(Arexvy)は、60歳以上を対象とするRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染症予防ワクチンです。国内で初めて2023年9月に承認され、高齢者や慢性疾患を持つ人々のRSウイルス感染症による重症化リスクを低減します。このワクチンは、遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原とGSKの独自アジュバントAS01 Eを組み合わせており、高い予防効果を示しています。
高齢者、慢性の基礎疾患(喘息、COPD、心疾患など)、免疫機能が低下している方は、RSウイルス感染症の重症化リスクが高く、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。
RSウイルス感染症は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患などの基礎疾患の増悪の原因となることもあります。
日本では約63,000人の入院と約4,500人の院内死亡が推定されます。
RSウイルスについて
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は、乳幼児や高齢者に呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、特に冬季に流行することが多いです。RSウイルスは飛沫感染や接触感染によって広がり、初感染は通常、乳幼児期に発生します。ほとんどの子供が2歳までにRSウイルスに感染します。
RSウイルスの症状
- 乳幼児
- 鼻水、咳
- 喘鳴(息をする際のゼーゼー音)
- 呼吸困難
- 発熱
- 高齢者や免疫力が低下している方
- より重篤な呼吸器症状
- 肺炎や気管支炎のリスクが高まる
- 持続する咳や息切れ
重症化リスクのある方
下記に該当される方は、感染すると症状が重くなりやすいため、特別な注意が必要です。
- 早産児
- 心疾患や肺疾患を持つ乳幼児
- 免疫不全者
- 高齢者
RSウイルスの予防方法
基本的な予防策
- 予防接種
- こまめな手洗い
- アルコール消毒
- マスクの着用
RSウイルス感染のリスク
- 季節性
- 特に冬季に感染が増加します。
- 集団生活
- 保育園や幼稚園など、乳幼児が多く集まる場所では感染が広がりやすいです。
- 兄弟姉妹の存在
- 他の兄弟姉妹がいる場合、その子たちを介して感染することがあります。
- 母乳育児の不足
- 母乳は免疫力を高めるため、母乳育児が不足している場合、感染リスクが高まります。
- 煙草の煙への曝露
- 受動喫煙により、呼吸器感染症のリスクが高まります。
RSウイルスの治療法
RSウイルス感染症の治療には、特効薬はありませんが、症状を和らげるための対症療法が行われます。
- 水分補給
- 脱水を防ぐために十分な水分を摂ることが重要です。
- 解熱剤
- 発熱を抑えるために使用されることがあります。
- 吸入療法
- 呼吸を楽にするために、吸入器を使用することがあります。
高リスク群の方には、入院して専門的な治療を受ける必要がある場合もあります。特に、酸素補給や人工呼吸が必要になることもあります。
RSウイルスは乳幼児や高齢者にとって重要な呼吸器感染症の原因であり、特に重症化リスクが高い人々にとっては注意が必要です。事前の予防接種で事前対策を徹底されることをおすすめします。